おすすめ書籍紹介|明るい未来塾株式会社|個別指導や映像授業等代理店

新着情報
TOPICS

カテゴリー:

おすすめ書籍紹介

  • ブログ

『実語教』

書物の紹介:平安時代の終わりに出来たと言われています。

弘法大師(空海)の作という説もありますが、

本当のところは分かっていません。

子供の教育に使われ、鎌倉時代に世の中に広まり、

江戸時代になると寺子屋の教科書となりました。

明治時代になってもしばらく使われていました。

千年近くずっと使われていたことになります。

 

では、これから内容について見ていきましょう。

『実語教』には、人間が世の中で生きていく上で

欠かせない大切な知恵が詰まっています。

いくつかあるテーマの中で、この度は『学びの大切さ』

『両親・先生への礼儀』『兄弟・友達・後輩との

付き合い方』について紹介していきます。

 

 まず、『学びの大切さ』について見ていきましょう。

昔はお金持ちの家には倉といって、大事なもの、

財産を入れて置く場所がありました。

ところが、倉の中に入れておいた財産はそこに

ずっとあるかというと使ってしまえば

なくなってしまいます。これに対し、自分が勉強して

身に付けた技術や知識、努力して伸ばしていった

才能は、一生の間、自分のものとして残ります。

小さな頃に一生懸命練習して自転車に乗れるようになると、

四十歳、五十歳・六十歳になっても乗れるはずです。

たとえお金が無くなって貧乏になったとしても

自転車の乗り方を忘れることはありません。

英語などのような外国語も、若い頃に英語を完全に

自分のものにしてしまえば、年を取っても

覚えているものです。

こういうものを「才」と言います。

これらの才は1回しっかり身に付ければ一生の間、

ずっと役に立ちます。

「財物は永く存せず。才智を財物とす。」

お金をどれほどたくさん積み上げても、

それらはいつか無くなってしまいます。

しかし、一日一日と学んで積み上げた

「才」は無くなりません。

 

 次は、『両親・先生・目上の人への礼儀』について

見ていきましょう。

子供は親に育てられるのは当たり前と思うかもしれません。

でも、親からすると子供を育てるのは大変です。

子供が病気にならないように、ちゃんと学校に

行けるようにと、毎日子供のことばかり考えています。

だから、子供のほうも両親に感謝しながら生きなくては

いけないのです。

昔の子供たちは、両親にも敬語を使って話をしていました。

「お父様、お母様、お休みなさい。」

「行ってらっしゃいませ。」

と言うように敬意を表現していました。

親への「孝」という気持ちを大切にしていたのです。

先生についてはどうでしょう。

学ぶ時は、良い先生につくことが大事です。

でも、自分から積極的に質問して学ぼうとしなければ

意味がありません。

自分に学ぶ気がなければ、先生の良さがでてきません。

学ぶ側の姿勢によって得るものがまったく違うのです。

「この先生から絶対に学んでやろう。」という

意欲を持った人は、積極的に質問をします。

積極性さえあれば、どんどん学べます。

自分からやる気を見せることが大事です。

これが、教わる側が先生に示す姿勢、「礼」です。

 

 最後に、『兄弟・友達・後輩との付き合い方』

について見ていきます。

兄というのは、本当のお兄さんだけではなく、

自分より目上の人、年上の人のことです。

年上の人には礼儀を尽くして、

尊敬の念を持って接しなさいと言っています。

一方、弟というのは、自分より目下の人、

年下の人のことです。

そういう人たちには愛情を持ってかわいがって

あげなさいと言っています。

次に、友達にはどういう風に接すればいいのでしょうか。

「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があります。

三人で集まればたくさん知恵が出ると言う意味です。

自分より優れた人からは優れた部分を学び、

自分より劣っている人がいればその人の行いを見て

良くないと思った部分はまねないようにする。

誰からでも学べるものはあるのです。

 

 こうした例からもわかりますように、私たちの祖先が

何を学び、どれほど真面目に生きてきたか知ることが

出来ました。

これまで紹介した内容は、今でも通用する

大切なものばかりで、まったく古くなっていません。

こうした日本人の心を私たち自身が

しっかり学び、次世代の子供たちに伝えていきましょう。