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『やり抜く人の9つの習慣』
(コロンビア大学モチベーションサイエンス・センター)
多くの心理学者の調査によると、仕事や私生活で目標を達成した、
いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちには、共通する思考や行動のパターンがあることが明らかになっている。
才能が成功に導いたのではなく、彼らは「ある種の思考や行動によって、自らを成功に導いている。」
本書は、目標を達成できる人に共通する思考や行動を「9つの習慣」にまとめて紹介している。
これより、「9つの習慣」について順を追って見ていく。
習慣1. 目標に具体性を与える。
具体的な目標を決めたら、そのために必要な行動は何かを具体的にする。「いつまでに、何をするか」を決める。
- 目標を紙に書く。(具体的かつ詳細に達成したいことを考え抜く。)
- どうなったら「目標を達成した」と言えるか、明確にする。
- 「目標達成のためにすべきこと。」と同時に「目標達成への障害」を
それぞれはっきりさせる。メンタル・コントラストで成功確率をたかめる。
(補説)メンタル・コントラストは、
「目標を達成して得られること」と「そこに到るまでに考えられる障害」のこと。
それぞれ2つずつ挙げる。
「得られること」を2つ挙げ、じっくり味わう。
「障害」も2つ挙げ、「それは本当に障害なのか。なぜ、障害なのか。」
上記のことを繰り返し想う中で、メンタル・コントラストを深めていく。
繰り返し行うことで、「自信・やる気・決意」が次第に固まっていく。
習慣2.目標達成の行動計画をつくる。
- 「いつ何をやるか」をあらかじめ予定に入れておく。
日々の計画が、具体的な行動レベルまで明確になっていると、その行動をする可能性は300%も高まる。(心理学の研究より)
- if-then式の計画
if X happen,then I will do.
(もし、Xだったら、Yをする。)
例.「もし、午前中に報告書を書き終えられなかったら、午後最初の仕事は、その報告書を書きあげることにする。」
if-thenの思考を持った人の91%は、思考した通り実行した。
if-thenを踏まえず、成り行きに任せた場合、30%しか実行しな
かった。
※if-then式計画は、脳に強く訴えかける。
つまり、事前にするべきことをはっきりさせておけば、意識しなくても行動すべき時に自動的に行動できるようになる。
習慣3.目標までの距離を意識する。
目標達成に向けて、ただがむしゃらに努力するのではなく、日々どれだけ進歩したのか確認する。(=モニタリングする。)
脳は無意識のうちに、「今の自分の状態」と「自分が望む好ましい状態」を比べている。2つの間に距離がある時には、自然にさまざまな反応が出る。
(距離を近づけるように注意を向け・情報を処理し・努力する。)ようになる。
今の自分→→→→→→→→→→目標
↓
今、自分がどこにいるか。自分の進捗状況をモニタリングする。
↓
常にフィードバック。モチベーションを上げるフィードバックとは、
「これまで思考」と「これから思考」のうち、「これから思考」を強く意識する。
※「これまで思考」とは、「どこまでやりとげたか」に視点を向ける。
この思考の強い人は、早い段階で達成感を持つために、早く気が緩む。
「これから思考」とは、「あとどれだけやらなければいけないのか」に視点を向けること。
習慣4.現実的楽観主義者になる。
現実的な楽観主義者とは、成功を望み、それに相応しい努力をする人。
目標を達成するには、相応の困難を切り抜けねばならない。
最善の努力をしなければならないと考えるので、大きな成功をつかむこ
とができる。惜しみなく努力し、問題が起きることを予見し、対処方法を計画し、
問題が起きたら粘り強くことに当たる。
※モチベーションの維持
努力して取り組んでいる中、不安を感じ自信を失ってしまったら、
これまでに達成した目標や、克服した困難をビジュアライズしてみる。
成功のビジュアライゼーションと合わせて、困難に立ち向かって解決するビジュアライズもしていく。
習慣5.成長することに集中する。
「目標は、自分の能力を証明するためにあるのではなく、自分を向上させるためにこそある。」と考える。
「新しいことに挑戦する勇気が出ない」「どうしてもその気になれないと思う人は、「失敗してもいい」
「失敗なんて何でもない」と考えると、実際に失敗する確率は大幅に低くなる。(心理学研究結果より)
- 成長を目標にしていると、途中途中で出会う困難を「学び」という視点で捉えるようになる。
- 失敗しても「また、1つ学んだ」と思えれば、モチベーションを維持することができる。
習慣6.やり抜く力を持つ。
最近、「グリッド」という言葉が注目されている。
グリッドとは、困難にも屈せず、長期的な目標達成に向けて全力を尽くす「やり抜く力」。
長期目標に向かう時の粘り強さとやる気のことを意味する。
「固定的知能感」と「拡張的知能感」という考え方がある。
「固定的知能感」を持つ人は、「上手くいかないのは自分に能力がないせいだ」と考え、すぐあきらめてしまう。
一方、「拡張的知能感」を持つ人は、「努力不足だった」「戦略を間違えた」「プランを練らなかった」などと
自分の努力や行動のせいにする。
自分にコントロールできることに原因があると考えれば、「成功は自分の頑張り次第」と信じることが出来る。
逆に、自分自身が成功や能力向上を邪魔する考えを持っていると気づいたら、それを変えてしまうこと。
能力でも、あなたの努力次第で高めることが出来る。
習慣7.筋肉を鍛えるように意志力を鍛える。
意志力は筋肉と似ている。筋肉は使わなければ衰えるが、意志力も使わなければ衰える。
意志力を強くするためには、これまでにやったことのない、気の進まないことを自らの意志でやってみる。
例.間食でカロリーの高いスイーツを食べるのをやめる。
毎日、腹筋運動を100回する。
何でもいい。とにかく取り組む価値があると思うことを続ける。
日常的な小さな目標に取り組んでいくうちに、大きな目標に取り組む意志力が身に付くようになる。
習慣8.自分を追い込まない。
どれほど意志力を鍛え上げても、限界がある。意志力を使えば消耗する。
使い過ぎれば一時的にガス欠を起こしてしまう。
では、どうすればよいのか。
成功できる人は、できるだけ目標を達成しやすい環境を整える努力をしている。
複数の大きな目標に、同時に挑戦するようなことはしない。
習慣9.「やめるべきこと」より「やるべきことに」集中する。
「~しない」という目標を「~する」に変える。
「食べ過ぎない」「だらだらと動かない」「夜更かししない」など。
目標の多くは「~しない」という形のものになりがち。
こうした目標は、反対にその行動への衝動を高めてしまう。