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カーネギー『話し方入門』
書籍の紹介:著者 デール・カーネギー。アメリカ ミズーリ州生まれ。(1888年~1955年)
作家、教師、実業家、自己啓発作家。
カーネギーの本は日本国内で430万部、世界で1500万部出ている。
現在、私たちの社会において、話し方の比重はどんどん大きくなってきている。
コミュニケーション力は、現代社会を生き抜く必須の力と言える。
コミュニケーション能力とは、「話すこと」と「聞くこと」の2つの能力のことを指す。
この内、「話すこと」を苦手としている人が多いようだ。
この度は、カーネギーの本を通じて、「話し方の技術」を学んでいきたいと思う。
この本の特徴は、話し方の技術だけではなく、「いかに人に影響を与えていくか。」という視点で書かれている。
これから大きく3つのテーマに分けて見ていきたいと思う。
スピーチに向け、「心構え・準備」「スピーチ内容の構成・人前で話す技術」
「スピーチの終わり方」について見ていく。
≪心構え・準備≫について
カーネギーは、人前で話す時に一番大事なことは、「勇気」と「自信」だと述べている。
人前で話す機会から逃げないで、勇気を持ってめげずに練習することが肝心。
そうすれば、必ずそれが自信となって話す満足感へとつながっていく。
「勇気」と「自信」について必要な4つのポイントを挙げておく。
- 良い話し手になろうという一途な信念をもつこと。
強く継続的な願望を持つこと。
- 話そうとする内容を知り尽くす。
自分がよく知っているテーマがベスト。
- 敢えて自信ありげに振る舞う。
わざと堂々と振る舞っていると自然とそうなる。
- 一にも練習。二にも練習。
知識を持っている分野を選び、それを3分の話しにまとめてみる。
あとは、何回も練習する。
(補足)話すテーマについて
・題材は前もって決めておく。テーマを頭に置いていると、関連する
情報が集まってくる。
・「これについて話そう」「これも話しておきたい」と、気付いた時に
メモしておく。
・テーマについて話す時は、自分の思い・考えを伝えること。
自分自身の中から何かを掘り出す、自分自身の思想・信念を持つよう
にする
≪スピーチ内容の構成・人前で話す技術≫
「スピーチの内容の構成」について
カーネギーは、「スピーチは目的を持った航海なので、海図が欠かせない。」と述べている。
出発点と目的地が明確であることが大切だと言っている。
では、スピーチの構成例について見ていこう。
パターン1.①事実を述べる。
②それを出発点として議論する。
③行動の呼びかけをする。
パターン2.①問題点を挙げる。
②その改善点を示す。
③行動を呼びかける。
パターン3.①興味をそそる。
②信頼を得る。
③事実を述べて、自分の提案の利点を伝える。
④人を行動させる動機に訴える。
上記のいずれかのパターンを基に話す内容を組み立てたら、早速、練習に入る。
以下の点に留意して練習する。
・メモや原稿を見ながらスピーチするのは止める。
・スピーチの概要や要点を絵にしてまとめる。
・道を歩きながら声を出さずに練習する。
・人前で話して練習する。
※あとは、めげずに練習する。繰り返し繰り返し練習する。
進歩は、必ずしも漸進的ではない。停滞期(プラトー)が来ても粘り強
く練習する。(=根気と不屈の決意)
「人前で話す技術」について
話し方にはコツがある。コツをつかみ練習すれば、スピーチの達人になれる。スピーチは対話と考えた方がよい。
一方的に話すのではなく、対話しているような感じにしなければ相手に届かない。
では、これから話す技術について見ていく。
技術1.聴衆の中で好意的な聞き手を見つけて、その人に向けて話をする。
そういう人を少なくとも左右に一人ずつ見つけて、その人とアイコンタクトを取りながら話す。
(=「意識の線」を張る。)
技術2.重要な言葉を強調し、熱を持って伝える。
話の中で強調したい部分を本気ですごいと思って伝える。
話をしている人の熱量を感じると、聞く側の熱量も高くなる。
技術3.声の調子を変え、変化を持たせる。
声の調子を変えるというのは、声を高くしたり、低くしたりするだけではない。
重要なところでは声を張る、そして急に小声にしたりして変化をつけると聴衆も飽きない。
技術4.話す速度を変え、緩急をつける。
強調したい時は話す速度を落として、声は強めにするとよい。
情報を伝えたい時は速く、感情を伝えたい時はゆっくりと話す。
技術5.話しての態度。
スピーチ前はしっかり休養を取る。疲れ切った様子の話し手に魅力は感じない。
話し手のエネルギーに聴衆は引きつけられる。笑顔も忘れてはならない。
技術6.照明はしっかり顔に当たるように。
照明は顔の印象を左右する大事な要素。
顔に現れる微妙な変化は、 自己表現方法の一つである。
≪スピーチの終わり方≫
スピーチの終わり方は、スピーチ全体の印象を左右するくらい重要。
スピーチの最後の言葉は、聞き手の記憶に残りやすい。
スピーチを終える時のポイントは次の通りである。
- 全体の話を改めてまとめる。
伝えたいポイントを何点かに絞る。
- 何らかの行動を要請する終わり方。
行動を起こしてくれるように訴える。(スピーチの内容による)
- 言葉の引用で締めくくる。
話の内容に相応しい詩句の引用など。スピーチのグレードを上げるのに役立つ。