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「成功」と「失敗」の法則
(素晴らしい人生を送るための原理原則)
著者紹介:稲盛 和夫(1932年~)鹿児島出身
実業家。京セラ・KDDI創業者。
経営塾「盛和塾」の塾長として国内外の経営者育成に心血を注ぐ。
JAL再興に尽力。JAL会長に就任。
筆者はこの本の冒頭で、「私たちが生きている意味、人生の目的はどこにあるのか。」という問いに対し、次のように答えている。
それは、「心を高める」こと、「魂を磨く」ことにある。
私たちは、生きている限り、衣食が足りていなくてはならないし、不自由なく暮らしていけるだけのお金も必要である。しかし、こういうものはいくらたくさん溜めこんでも、どれ一つとしてあの世へ持ち越すことはできない。この世のことは、この世限りでいったん清算しなくてはならない。
そのような中で、たった一つだけ滅びないものがあるとすれば、それは「魂」というものだと思う。
様々な苦楽を味わい、幸不幸の波に洗われながら、息絶えるその日まで、倦まず弛まず一生懸命に生きていく。
「そういう日々を磨き砂として、人間性を高め、精神を修養し、この世にやってきた時よりも少しでも高い次元に魂を持ってこの世を去っていく。」
これこそが、人間の生きる目的だと思う。
では、どのような生き方が「人間性・魂の成長」を導くのであろうか。この点について、筆者は次のように述べている。
- 善き思いをベースとして生きること。
宇宙は善き思いに満ちている。宇宙の善き思いとは、「生きとし生けるものすべてを生かそうとする優しい思いやりに溢れた思いである。私たちがこの優しい思いやりに満ちた思いを抱けば、愛に満ちた宇宙の意志と同調し、必ず同じものが返ってくる。
純粋な思いには、素晴らしいパワーが秘められている。
優しい思いやりに満ちた思いを抱き、誰にも負けない努力を重ねれば、人生は必ず豊かで実り多いものとなる。
美しい思いには、周囲はもちろん天も味方する。
2.「勤勉」・「感謝」・「反省」の大切さ。
ひたすら真面目に一生懸命働いていると、心の底から感謝の思いが湧き
起こってくる。まわりみんなの働き、協力があって自分が今ここにいるという想いが強くなる。こうして今、自分があることに感謝し、誠実に努力を重ねていく。努力の過程で、人間として恥ずべき点があれば自分自身を強く叱り、再び過ちを繰り返さないよう戒める「反省のある人生」を心がける。こうした思いを持って生きることそのものが幸せなのである。
3.「足るを知る」ということと「謙虚さ」を忘れないこと。
人生うまくいくようになると、人は少しずつ傲慢になり、その結果、
次第に周囲の協力が得られなくなる。また、成功を収めても満足することなく、「もっと有名になりたい」「もっとお金持ちになりたい」と欲望を際限なく膨らませてしまいがちになる。
こうした利己的な思いを抱き、自分勝手に行動するなら、宇宙意志に逆行し、一度成功したとしても長続きしなくなる。
そうではなく、成功を収めても、謙虚さを忘れず、足るを知り、すべてのことに感謝し続けることが大切である。
4.働くことの大切さ
与えられた仕事を天職と思い、その仕事を好きになるよう努力し、さら
に打ち込む。懸命に働き続けていくことで、素晴らしい考え方や人格を
自分のものにすることができる。一生懸命働くことは、単に生活の糧を
もたらすだけではなく、人格をも高めてくれる。
結果として、物心ともに豊かな人生を送ることができる。
5.人間として正しいことを追求する。
どのような状況に置かれようと、公正・公平・正義・努力・勇気・博愛
謙虚・誠実というような言葉で表現できるものを最も大切な価値観とし、
それに基づき行動する。
筆者がこの書の最後に残したメッセージを確認して終わりとする。
「人間はこの世に生を受けた時は原石なようなもの。後天的に磨き上げることで光輝く宝石のような素晴らしい人格者になることができる。」