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『AI時代の「天才」の育て方』
書籍紹介:著者 市川よしなり IT&AIコンサルタント。
1997年に23歳で国内ほぼ初のコンタクトレンズ通販、フィンテック
事業、ITコンサルティング事業を開始。コンサルティングによる
売り上げは累計2.000億円以上。
これからの社会は、圧倒的なスピードで技術が進歩し、人間の仕事の9割が
AIに置き替わると言われている。こうした動きの中、これからを生きる子供たちに求められることは何か。
本書の目的は、「これからの時代の先端をいく人材、天才をいかに育てていくか。」という点について論じていくことにある。
天才を育てるには、世の中の流れを知ることが大切である。私は、「天才」の定義は時代とともに変化すると考えている。「過去の天才」が必ずしも「これからの天才」であるとは言えなくなって来ている。この数年でテクノロジーが急激に変化し、コミュニティが多様化し、世界はフラット化しつつある。
こうした時代の流れと共に、「天才」の定義は大きく変わってきている。
「過去の天才」と「これからの天才」はどう違うのか。この点について考えてみる。
詰め込み型の教育や序列に従った仕事に象徴されるように、これまでは組織の中に属しながら、いかに多くのことを覚え、過去のたくさんの情報から早く正確に答えを導き出すことができるかどうかが重要視されてきた。
この能力に突出しているのが「過去の天才」である。
しかし、ITが発達しAIが多くの仕事をこなす時代においては、過去の膨大な情報を記憶する必要はない。また、わざわざ人間が考えて答えを導き出す必要もない。なぜなら正解がある問題については、AIに任せれば瞬時に人間よりも正確な答えを提示してくれるから。
つまり、これからの時代には、これまで重要視されていた記憶力と情報処理能力はそれほど必要ではなくなる。
では、これからの天才に必要な要素とはどのようなものなのか。
結論から言うと、「創造力」ということになる。過去にとらわれず、全く新しい未来を生み出せる「創造力」を持つ人間こそが、これからの天才となる。
また、新たな未来を生み出すインスピレーションをつくるためには、既存の概念に縛られない「はみ出し力」や物事を柔軟に捉えるための「遊び力」が必要になる。
※過去の天才とは、過去の情報をうまく活用する人たち。
AI時代の天才とは、未知なる未来を生み出す人たち。
昨今、「デジタルネイティブ」ということばが頻繁にメディアで取り上げられている。デジタルネイティブとは、生まれた時からパソコンやスマートフォンなどが身近にある世代のことを指している。
パソコンやスマートフォン世代である子供達は、今の大人たちより格段にIT力が上である。
デジタルネイティブと言われてから10年以上経った今、子供の頃からスマートフォンやSNSが身近にある環境はさらに進み、現在は「デジタルネイティブ2.0」の時代と言われている。この時代を生きる子供たちは、現代の大人たちとは価値観がまるっきり違う。
では、これからの時代を担う子供たちにどのような教育を行えばよいのか。
この点について考えていきたいと思う。
一つは、「学び方」を学ぶこと。
情報はオープンになり、日々アップデートされている。「これさえ知っておけば」というものは通用しなくなってきている。これからは、情報を手に入れる「方法」をどれだけ知っているかが大切である。
二つ目は、自分が好きなことや得意なことで価値を追求していくことである。
ニッチな分野で構わない。自分の好きなことをどこまでも追及すること。
これまでの日本では、枠をはめることで子供たちの自己肯定感を潰してしまうような教育が主流だったように思われる。だからこそ、自己肯定感を伸ばすためには、枠にはめるという発想を外すことが必要である。
自己肯定感が高まれば、好奇心は伸びていく。
最後に、子供の成長に強く関わる親のあり方について3つ挙げておく。
- 子供を型にはめてしまうことがないようにする。
子供の自主生や独立心、知的好奇心などを育み、社会に貢献する人物を育てる。
(=モンテッソーリ教育)
自立心や独立心を育むことに主眼を置く教育。(=シュタイナー教育)
- しつけるのではなく、見守る子育て。
子供に対して「親としてではなく人として接する。」という意識で臨む。
- イライラしない、見せない。
親のイライラが子供に伝わると子供の自己肯定感が下がり、セルフイメージが
低くなってしまう。親はイライラしないよう自分をコントロールすることが必要。
子供への関わり方について考えさせられる一書である。