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『小学』

 

書物の紹介:中国の思想家 朱子(しゅし)が中心となって編集した本です。

      今から800年前のことです。400年前の徳川時代にこの本が

      入ってきて日本に多大な影響を及ぼしました。

      『小学』は単なる学問としてではなく実践と結び付くことに

      よって、幕末から明治にかけて日本を訪れた欧米人から

      「世界一礼儀正しく、しつけの行き届いた民族だ。」と絶賛されました。

      小学校の小学は書物『小学』から来ています。

 

ではこれから、内容について見ていきましょう。

私たちが人として立派に成長するには、3つのこと、「知識」「技術」「道徳」を身に付けていくことが必要です。

3つの中でも「道徳」(徳性を養うこと)の必要性、大切さについて説明しています。

木に例えると、根にあたるところが「道徳」であり、幹や枝に当たるのが「知識」

「技術」です。

 

 ところが、近年の教育は「知識」「技術」だけを学ぶ場と化しています。

人として誰もが、いつでもどこでもわきまえておくべき基本的なこと、つまり常識を身に付ける教育、自己自身を修める教育が手薄になってきています。学生のうちに、社会に出てからもしっかりやっていけるだけの常識を身に付けることが必要です。

 

 「小学」では、どのような教育が必要であるのか具体例が紹介されています。

たくさんある例の中で、基礎的なものをいくつかご案内します。

まず、「掃除」「応対」「進退」についてご案内します。

「掃除」というものは、人間をつくる上で非常に基礎的な事です。掃除は素直な心を育てる上において大切なものです。仏教でも禅宗などでは、掃除を修行の一番の基本と考えています。神社でも掃除を非常に大切な行い、心を清めるものとしています。

掃除は「人間をつくる」一番の基本なのです。

「応対」の「応」は呼ばれて返事をすること。「対」は求めや問いかけに応えることです。一番手近な例があいさつです。人間関係の一番基本をなすものです。

「進退」というのは、座ったり立ったり進んだり退いたりという作法のことを指しています。例として、はきものをちゃんと脱ぐことを挙げています。

はきものやスリッパは他人もはくことを前提にしています。そこに生じるのは他人に対する思いやり、マナーです。つまり、人間的教養です。

 

 

 

 

 

 小学では、自分自身の在り方だけではなく、人との関わり方についての例も紹介しています。

「親を愛し、目上の人を敬い、先生を尊び、親友を大切にする。」ことについて触れています。

他にもたくさんありますが、このなかで最も基本で大切な例を紹介致しました。

こうした基礎的な教育が『小学』の目指しているところなのです。

 

 人としての基本を身に付け、人間関係の大切さを学ぶ、いわゆる情操教育と知識・技術を学ぶ学力教育のバランスこそが今の教育に求められていることなのです。

昨今、社会を揺るがす問題が多発していますが、道徳心を底で支える根本的な情緒や心構えが身に付くなかでこうした問題の多くは無くなるはずです。